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eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2020-05

「AI美空ひばり」とはなにか。

NHKとヤマハがAIにより故美空ひばりを「AI美空ひばり」として映像化した。当然だが、実体はない(というか色即是空というか空即是色というか)。
これを冒涜という人もいるし、ファンが涙したのだから良いのではないか、という人もいる。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14403750.html

NHKで特集した創作過程も見たし、紅白歌合戦でも見た。
技術的な本質は、初音ミク的VOCAOID技術に、故人のニュアンスをどう反映させていくか、という挑戦に見えた。
https://www.yamaha.com/ja/about/ai/vocaloid_ai/


ところで、VOCAOID・ボーカロイドとは何であろうか。
wikipedeiaに「メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる」とある。
つまり人の声を扱えるシンセサイザーであり、最近できた「楽器」である。
このへんがAIひばりに対する意見が分かれるポイントではないだろうか。
つまり、美空ひばりの偉大さを思う人は、その存在が、AIひばりという単なる楽器化されて「演奏される→道具化される」のが許せないのだろう。
カント先生は、人格は道具化してはいけないと言っていたような(すべての理性的存在者は、自分や他人を単に手段として扱ってはならず、 つねに同時に目的自体として扱わねばならない)。
https://benesse.jp/teikitest/kou/social/ethics/k00499.html

楽器、道具(どちらも英語ではinstrument)とは、使う主体が別にいて、その主体の使い方次第でどうにでもなる。
ということは、AIひばりは歌う主体ではなく(主体は秋元康とかNHKとか)、上手に演奏された楽器・道具に過ぎない。
さらにいえばAIは、ニュアンスを上手につける道具というくらいの位置づけに思える。
偉大なる歌手美空ひばりを単なる楽器化=道具化していいのか、というのが問題の本質ではないかと思う。

俺自身はといえば、素朴・単純な楽器ほど面白く、奥深いと感じている。
同じギター(例えばギブソンJ-45とか)でも、俺が弾くのと、ジミ・ヘンドリックスが弾くのでは、出てくる音楽は天地ほどの差があるだろう(というか生と死くらい違うか)。

AIひばりに代表されるような、こういう高度すぎる道具(おもちゃともいえる)は、高度すぎるがゆえに案外早く厭きるし、つまらないのではないかという気がしている。
もちろん、ある種の技術として定着はするだろうが。
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