eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2018-05

まずは第二会場に入るべし。迷わず行けよ、行けばわかるさ。「仁和寺と御室派のみほとけ」@国立博物館

上野の国立博物館でやっている「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」がことのほかよかったので、書いてみる。
というのは、仕事の同僚がたいそう誉めていて、しかも見る際のアドバイスまでいただいたのだが、それが有益だったので共有したいと考えた。
会期の終わりが迫っているので、かなり混むことも予想されるが、そのアドバイスは
「まずは第二会場に入るべし。迷わず行けよ、行けばわかるさ」。
国立博物館の平成館2階は左右に会場が分かれているが、第1会場は後回しにしても良い。というのは、第2会場にまみゆべきほとけがあまた御座しますゆえ、第1会場の誰かがなんぞしたというようなことはすっ飛ばすのがよろしい。時間と体力が余ったら、第1会場に戻ると良い。

第2会場に入ると、仁和寺観音堂の諸仏(この言い方でいいのか?)がずらりと並んでいて、そこで善男善女が、狂ったように写真を撮っている。ここは撮影可のゾーンなので、それも良いのだが、シャッター音がうるさくてかなり気が散る。それでもほとけさまに手を合わせている人もいて、これぞ濁世というか末法というか、此岸と彼岸の対比を見せつけられる思いがする。
ところが、この後は撮影禁止になるのであるが、その直前に写欲を使い果たすのだろうか、わりと落ち着いた雰囲気になっている。まあ人は多いけど、そのなかに自分も含まれているわけで、他の人のことは言えない。
ほとけさまを見て、何を感じるかはその人次第であるが、甘美、崇高、峻厳、優美、素朴、そういうものにまみえることができたという喜びがあった。

ところで、やはり大阪・葛井寺の千手観音様について、やはりふれておきたい。
これは会場でも最後の方にあって、力尽きてこれにちゃんと向き合えないと、もったいないと思う。
この千手観音様は、普通は象徴的に40本の手で千本あることにするそうだが、文字通り手が千本ある。その手は衆生を救う手のはずであるが、見ているうちに、むしろ救いを求める人々の手にも見えてきた。
千本の手があるということは、それだけ多くの人を救うという意志であり、またそれだけ多くの手段を持つということでもあろう。
しかし、ひるがえって見れば、千本の手を以て救うべき悲惨がこの世に充満しているわけでもある。
だから、じっと見ていると、千本の手は、観音様の背後から救いを求める手のようであり、観音様はすべてを理解したうえで、さらに祈りを為そうとしているような、なんとも言えない表情であった。崇高というよりも、為すべきことの果てしなさ向き合おうとする意志を感じるような、無理に言葉にすれば峻厳というようなお顔に見えた(左斜め前から見た印象です)。
ただし、そういうふうに感じない人も多かろうと思う。というのは、売店で売っている写真では、そのようには見えないからだ。
それと、ほとけさまのお顔を拝見するときは、正面、右から、左から、と見比べてみると面白い。見る方向によって、かなり印象が違うときがあります。
心に残ったもの、いくつか。
・阿弥陀如来坐像および両脇侍立像(観音菩薩 勢至菩薩):甘美という言葉が浮かんだ。ほっこりします。
・吉祥天立像:なんかいいですね。一木造。
・文殊菩薩坐像:理知的であり、意志的であるように見えた。
・悉達太子坐像:隣の人が「顔を見ると涙を流しているように見えないか」と連れに人に行っているのが聞こえた。たしかにそう見える。
・釈迦如来像:宮城県龍寶寺から来た。なんとなく山仕事したり、海で船方やっているおんつぁん(おじさん)のような風貌。じっさいにこういう人がいそうだ。
・菩薩坐像:神奈川龍華寺で近年発見されたという。なんとも優美。天平美人といったら不敬であるか。
・大日如来坐像:大阪金剛寺。なんとなくだが、宇宙の生い立ちをしっているようなお顔。俺のなかでは、第1会場の曼荼羅と対になっている。
・千手観音菩薩坐像:徳島雲辺寺で、眼病治癒の霊験があるという。たしかにちょっと上に向けたお顔が、目の見えない人のしぐさに見える気もする(スティービー・ワンダーとか)。知っているかぎりでは、顔が上向きのほとけさまは、あまり見たことがないので、そのような印象を持った。

ほかにもいろいろ見るべきであるが、書ききれないのでここまでとする。

出来ればもう一度行きたいが、ちょっと時間的に難しそうだ。
今日は、横浜美術館で石内都展を見てきたので、無理だった。明日は早稲田松竹でジャームッシュの映画を見る予定。もっと前から段取りしておけば、余裕があったんだが。
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