eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-11

子供にゃわからんタルコフスキー、もしくは人生はメロドラマ

新宿でタルコフスキー特集を上映している。
http://www.ks-cinema.com/movie/tarkovsky/

さっそく土曜日に行って、「ノスタルジア」と「惑星ソラリス」を見てきた。
「ノスタルジア」は何度目だろうか。
今回気付いたのは、天井の落ちた廃墟の教会をよく見ていると、非常にシンプルな装飾(というよりは装飾性を排除している)ところが、六田知弘さんの写真にあった、シトー会の教会(ル・トロネ修道院等)に似ているように見えた。
http://muda-photo.com/gallery/citeaux/

調べてみると、イタリア中部のシエナのそばにある「サン・ガルガーノ修道院」というそうで、やはり清貧を旨とし、虚飾を排すシトー会の建物であった。
http://www.tabitoscana.com/s.galgano.html

それは良いとして、「ソラリス」は数十年前に見たっきりで、なんとなくモノクロっぽいような、首都高速の映像が目に残るような映画だった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%91%E6%98%9F%E3%82%BD%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%B9
しかし大人になってから見てみると、SFの枠組みを使いながら中身はまったくのメロドラマで、そこが格別に良かった。
ソラリスという不思議な惑星の作用で、亡くなった妻(らしきもの)がよみがえり、主人公は激しく感情移入してしまう。宇宙飛行士であり科学者である主人公は、それが妻であるわけはないことは理解しているのだが、感情は抑えられない。
そのあたりが、失われたものへの悔恨とか執着とか愛惜とかが入り乱れて、やっぱり子供のころはそのへんが分からなかったなー、とつくづく思った。
それと記憶ではかなりモノクロ映像が多かったように覚えていたが、改めて見ると、タルコフスキー得意の水の映像や、鮮やかな緑に目をとられた。
また、未来都市のイメージとして使われた東京の首都高速の映像であるが、いま見ると昔の町の様子が見られて、なんだか懐かしいばかりだった。
ちなみに、ノスタルジアの場合は、回想シーン等現実ではない場面はモノクロになるようであるが、ソラリスの場合は、回想と現実と幻覚が入り乱れるような趣であるが、モノクロになる場面は、回想ではなくて夜または暗くなったという意味のようである。
ちなみに疑似夜景の技法については、「アメリカの夜」というトリフォーの映画の開設に詳しい。
※タイトルの『アメリカの夜』(フランス語の原題「La Nuit américaine」の和訳)とは、カメラのレンズに暖色系の光を遮断するフィルターをかけて、夜のシーンを昼間に撮る「擬似夜景」のこと。モノクロ時代に開発されハリウッドから広まった撮影スタイルであるため、こう呼ばれた。英語では "day for night" と呼び、この映画の英語タイトルも「Day for Night」となっている。映画のカラー化により使えるシーンが減少し、機材やフィルムの感度が上がって夜間撮影が難しいものではなくなった現在では、この撮影方法はほとんど使われないことになっているが、丁寧に見ていればときどき見られる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%A4%9C#.E6.A6.82.E8.AA.AC

そういえば、アンゲロプロスも壮大ではあるが、けっきょくはメロドラマだった。だからこそ良かったのではないかと思う。

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