eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

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2017-07

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西江先生のこと 02

西江雅之先生の業績やいろいろなエピソードは多くの人が書くだろうから、個人的な思い出の話だけ書いていく。
先生の名は大学に入る前から知っていたが、どこから耳に入ったのかは覚えていない。でも1年のときの最初の文化人類学の授業(正式の履修前だった)に行ったのは、やはり漠然とした前知識くらいはあったからだろう。
教室に行ってみたら、ホールほどではないがかなりの大教室が満員になっており、すでに立ち見の人がいた。このときは出遅れて立ち見だったため、また履修前のお試し授業だったせいもありノートはとっていなかった。
その当時の自分からすれば先生はなんとなく知っている程度の存在であったが、他の人からすれば、相当の有名人であったらしい。田舎でのんびり暮らしていたので、誰でもが知っているわけでもないはず(マスコミで盛んに取り上げあれているわけでもない)の先生に、これだけ多くの関心を持つ人がいるということを見て、やはり東京はすごいと思った。
最初の授業の内容は、文化人類学の定義と位置づけの話だった。

翌年のノートから概要のみまとめると、
黒板の右端から、

人についての研究
   ―そのなかのひとつの人類学(anthropology)
        ―形質(自然)人類学(physical anthropology)
        ― 考古学(archeology)
               ―先史考古学(prehistric archeology)                      
               ―classic studies  
        ―民族学(ドイツ系)ethnology
        ―社会人類学(イギリス系)social anthoropology
        ―文化人類学(アメリカ系)cultural anthropology

それとは別に、以下が説明された。
       民俗学(folklore)
       比較動物生態学(ethology)


人間のすべての学問は、当然ながら理系文系含めてすべて人間に関係がある。だから学問は結局「人についての研究」であるが、そのなかでも、人そのものに注目する人類学(anthropology)は、大きく分けると形質(自然)人類学系統のもの(サル学とか生物学とつながる部分多い)と、考古学(対象が現代ではない)と、文化研究的なもの(アンダーラインをした3つの学問)に分けて考えることができるというような話であった(けっこう不正確です)。

これらの話は、当たり前であるが学問的な話であって、教室にいた人たちの期待していたような奇想天外な面白おかしい話はほとんどなかった。そのせいか、2回目の授業からは、出席者がぐっと減った(立ち見までして授業を受けようとする人はいなかった)。
ただ、この授業の最後のほうで、ドイツ圏を中心とした民族学が異国趣味というか文物収集に力を入れ、イギリスを中心とした社会人類学は親族関係研究などのように人間関係重視であり、文化人類学が多民族国家というアメリカの国情を反映して言語研究(宣教師の存在も大きい)に向かったのも、結局は学問自体が自文化の傾向を反映しているということであり、これから学ぶはずの文化人類学自体を相対化して説明されたところが、非常に面白く思えたので、2回目からの授業が楽しみになった。
それが西江先生との出会いだった。

以来、在学中は大学院生のクラスを除き、単位とは無関係に、出られるかぎりのほとんどの授業に出席したような記憶がある。
いつのころからか研究室にも遊びに行くようになったが、それはどういうきっかけかは覚えていない。誰かに誘われたのか、先生から声を掛けてくださったのか。
このときに、一緒に研究室に行った仲間とは、長く付き合うことになった。
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コメント

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Re: 私感です。

コメントありがとうございます。
返事が遅れまして申し訳ありません。

西江先生のお話のポイントは、人間一般を扱うはずの人類学といえども、やはり自文化という「檻」から逃れることは難しいということかと思います。

もし、
> 土壌・自然・歴史が、底に住む人間の気質に影響を及ぼす
ということであれば、オギュスタン・ベルク氏の風土論に関する著作はいかがでしょうか。
ご一読をお勧めします。
私の記事では、以下のとおりです。
eeldog.blog12.fc2.com/blog-entry-643.html

他にもいろいろあります。
amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF/e/B004LPQED2

1000ya.isis.ne.jp/0077.html
wochikochi.jp/topstory/2011/11/restructuring.php

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