eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

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2017-04

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アンゲロプロスで知恵熱発症、映画週間は不発。もしくはなぜアンゲロプロスを見るのか。

「エレニの帰郷」にあわせて、アンゲロプロス監督の旧作が一挙上映されることになり、個人的にひじょうに意気込んでいたのだが、結局見たい映画はあまり見られなかった。
まず、予定通りに「旅芸人の記録」を見て、翌日は「アレクサンダー大王」。
この二本の大作を目いっぱい見た
疲れからだろうか、その後からなんとなく寒気がしてきて、週末から発熱。
以前から楽しみだった、というか未見でじれったい思いをしていた「狩人」と、ジョセフ・クーデルカ展回顧展を正月に見た以上、どうしても外せない「ユリシーズの瞳」をあきらめたのだった。
もちろん、早稲田松竹でやっていた「ブリキの太鼓 ディレクターズカット版」もあきらめた。

ここでも書いたが、やはりあれだけのボリュームの映画を二日続けて見るのは、俺には少々体力的に無理だったのか。
一本だけでもずっしり重いうえに、どうしてもいろいろなことを考えずにはおれなくなるので、頭がついていかず、熱が出てしまったのだろう。まあ、PCが熱暴走して壊れたというかんじ。
脆弱な脳みそを持つと、悲しいものです。

とはいいながら、床に臥せりながら、なぜこんなにアンゲロプロスを見たいと思うのか、我ながら不思議であったのだが、このことについていろいろと考えてみた。
とくに、2012年は、ずいぶん見たものだと思う。
この年4月、アンゲロプロスが事故で急逝して、早稲田松竹で「旅芸人」が追悼上映された。最終日の前日に映画館に行ったら立ち見が出るような込み具合だった。
このときはストーリーを追うこともままならず、とはいいながら映像と音楽に圧倒されて、もっとよく理解したいと思ったのがきっかけだった。
その後、上映館を求めて北千住に行ったり、大森に行ったりしながら、とくに「旅芸人」を何度も繰り返し見てきた。関連書籍もずいぶん読んだな。

なんで、あんなに見たのかと考えると、やはり震災のことが関係しているだろう。
アンゲロプロスは、どうしようもない状態の祖国ギリシャを何とかしようという問題意識から映画を撮っていたという話があるが、けっきょくギリシャは政治的にも経済的にもますます混乱するばかりでどうにもならなかった。それでもアンゲロプロスは、どうしてこうなってしまったのかと考え続け、時代をさかのぼり、また下り、周辺国を移動し、さまざまな立場の人々の視線から映画を作り続けた(中期からはA≒アンゲロプロスという映画監督が狂言回し的に出演している)。
アンゲロプロスは、祖国の惨状から決して目を離すことなく、映画をつくり続けた。晩年はメロドラマ的でもあったが、ギリシャのとくに現代史からは決して離れなかった。そこが強く惹かれるところではないかと思っている。

2011の大震災と原発事故。
どちらも個人が考えるには大きすぎる。
大震災は自然現象だからとあきらめるという態度もありうるが、現実に知人が犠牲になっていることを考えると、そうはなれない。仕方がなかったとあきらめるほうが楽になれるだろうが、そうすることもできない。
原発事故については、世界史的事件であり、個人が考え続けるには大きすぎる対象ではある。だからもう思考停止してしまって、現政府・官僚や御用学者がいうことを信じて、東京にいる限りは心配せずに、原発近くでも政府が大丈夫な場所だというかぎり、そのとおりに暮らしたほうがたぶん悩まなくて楽になれそうである。
でもそうするなと誰かがいう。しかし、ほとんど心が折れそうになる。そういうときにアンゲロプロスが安易なほうに流れるな、現実から目を背けるなと映画を通じてメッセージを発しているから見続けずにはいられないのではないかと思い当たった。

だから、やっぱりこれからも何度も気が済むまで見るんだろうと思う。
ちなみに今は新宿バルト9で「エレニの帰郷」を上映中。今度鎌倉で「旅芸人」をやる(けど、これは1月に見たばかりだから行かないだろう)。
とりあえず、「エレニ」を見にいくだろう。
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