eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-07

近代美術館「ジョセフ・クーデルカ展」Josef Koudelka RETROSPECTIVE、再び

さて、正月休みということで再度クーデルカを見にいった(前回はこんなこと書いている)。
思ったよりも人が来ていますな。
今回見て、気付いたこといくつか。
・ごく初期のパノラマ風トリミングの写真は、35ミリカメラではなく、古いローライフレックス(1956年に入手とある、ローライフレックス・スタンダードあたりか)で撮影したものをトリミングしたらしい(図録36p)。
正方形の画面はトリミングをもともと前提としているので(と昔の本に書いてあった)、トリミングも自由に行った結果、ああなったようだ。そういえば植田正治も初期のパノラマ風の写真はトリミングによって行っていた。
・ジプシーのシリーズは、図録に載っていない作品が多数ある。図録を買ったとしても安心しないで目を皿のようにしてみるべし。そう書きながら、自分もまた見に行きたくなってきた。このシリーズはひとつの映画を見た後のように、充足感と疲れを感じます。
・そういえば、警察に連行される男の写真(図録69)。本になっているとよくわからないが、左端の警官が持っているカメラは、69くらいの古めかしいスプリングカメラ(皮ケースつき)のように見える。それとも2眼レフのFlexaretあたりか。気になる。
・プラハ侵攻の写真について。会場の年譜のところにそのコンタクトシートが図版として載っている。それには、どのようにして写真が撮られていったのか、時系列で分かるようになっているので、それも見落とさないほうが良い。
・エグザイルズの写真群では、海辺、船上の写真がいくつかある。とくに図録120pの写真を見ると、やはり流亡するスイス人、ロバート・フランクがアメリカにわたる際に撮った写真を思い出し、さらにスティーグリッツの「三等船室」を思い出す。つまり、自ら望むと望まざるにかかわらず、国境を越えなければならない立場を象徴的に表しているように思う。
・今回の目玉の一つは、パノラマ写真群であるが、これらの作品はけっこう粗粒子表現である。感度の高いフィルムを使って、大きく引き伸ばしているからだろうか。どの作品も見ごたえがあるが、とくに写真集「Chaos」の表紙になった図録132-133のフランス・カレーの写真はコンクリートの質感と粒子の粗さが相俟って、画面を舐めるように見ても、見飽きない。それと、アンゲロプロス「ユリシーズの瞳」のスチル写真を担当したときの作品はやはり別格であるように思う。図録138の雪原の枯れ木はなぜか長谷川等伯の「松林図」を連想させる。ちなみに上野の国立博物館では、この「松林図」が正月特別公開されている(去年もそうだったな)。これもまたゆっくり見たい。

そろそろ会期末です。未見の方は、ぜひ足を運ばれたほうが良いと思う。


おまけ、youtubeで見つけた映像。
Josef Koudelka 1/2
Josef Koudelka 2/2
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