eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-11

竹橋、国立近代美術館「ジョセフ・クーデルカ展」 Josef Koudelka RETROSPECTIVE

竹橋でクーデルカの回顧展を開催している。
今日は休みがとれたので、午後から行ってみた。

内容は、チェコ時代の演劇写真、プラハ動乱、ジプシー、亡命後、パノラマシリーズと代表作が一通りおさえてあって、じつに内容が豊か。じっくり見ているといくら時間があっても足りなので、会期中にもう一度は行かねばなるまい。

気がついたことをいくつか。

1 初期作品 Beginnings 1958-1961
この時代に、すでにパノラマ的写真を撮影していた。この時期の機材はエキザクタあたりだったようだから、パノラマカメラを持っていたとも思えないので、トリミングによってそうしただろう。これが後のパノラマシリーズにつながっていったことがよく分かる。

2 実験 Experiments 1962-1964
演劇雑誌のための作品群では、かなりアウトフォーカスで、ハイコントラストの作品になっているが、この時期に、ものの形の本質をつかむ訓練をしたのだろうか。ヘンリー・ムーアの彫像のような抽象表現に近いが、やはりあくまでも具象・具体的人物、ものの姿であることが分かる。クーデルカの写真は、内容・社会性と同時に、画面の構成もしっかりしているように思うのだが、そこにつながっているのかもしれない。

4 ジプシーズ Gypsies 1962-1970
ジプシーシリーズは、ただただ見ていくだけ、言葉はいらない。この時点ですでに代表作を持ってしまっている。このへん、デビュー後数作目の「旅芸人の記録」でいきなり代表作を作ってしまったアンゲロプロスを思い出させる。
なお、アンゲロプロスとのかかわりは後にでてくる。

5 侵攻 Invasion 1968
「侵攻」はソ連軍のプラハ侵攻の写真群。これは2011年、恵比寿の東京写真美術館で大々的に開催されていたものから代表的な作品を抜粋している。
戦車上の銃を持ったソ連兵に対して、ジャケットの胸を開けて「ここを打て」と示している人を見て、天安門事件の戦車の前の男を思い出した。

6 エグザイルズ Exiles 1970-1994
このへんから写真集も買っているので、よく見てきた作品が多い。それでも生のプリントが見られて幸せです。

7 カオス Chaos 1986-2012
今回はパノラマの大きなプリントが見ものの一つだと思う。この時期はソ連崩壊後、ヨーロッパ各地で紛争があった時期で、アンゲロプロス「ユリシーズの瞳」もこの時期に撮られた。そしてクーデルカは、スチル写真を担当している。
思えば1997年に東京写真美術館でクーデルカのレクチャーがあるということで写真展に行き、そのときに「ユリシーズの瞳」を見たのが、初めてのアンゲロプロス作品だった。それが燠火となり、アンゲロプロスが事故死した2011年に連続上映されたとき、集中して何本も映画を見ることにつながっていった。

実際、クーデルカの作品を見ていくと、アンゲロプロスの映画を1本見たような気分になります。

今日は金曜日にもかかわらず、あまり人がいなかった。とてももったいない。入館料も850円と安いので、ぜひ見にいってください。ちなみに図録も安めだが、モノクロの質感がわりと出ています。
それとお金がないのに「Wall」という写真集を買ってしまった。まだきちんと見ていないが、イスラエルがパレスチナを排除するために作った「壁」の写真集のようです。
http://www.aperture.org/shop/books/coming-soon-photography-books/wall-josef-koudelka-books
中が楽しみだが、今月どうやって暮らしていこう。

先月から、恵比寿では須田一政展をやっているし(2回目のチケットは購入済み)、東京駅では植田正治展をやってるし、忙しいしお金が出て行くが、うれしくてたまらない。
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