eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-08

Lou Reed, Václav Havel, Charta 77, Jan Patočka, Imamichi Tomonobu(今道友信)

もしくはこれをパラフレーズすると、「ビロード(ベルベット)革命」=「ベルベット・アンダーグランド革命」となる。
※From Velvet Underground to Velvet Revolution
http://www.economist.com/blogs/easternapproaches/2013/10/lou-reed-and-v-clav-havel

ビロードとは、ベルベットと同じ生地。ちなみに「別珍」というものあるが、あれはvelveteenといって製法が違うそうだ。

「ビロード革命」とは、ベルリンの壁崩壊(1989年11月10日)後、1989年12月にチェコスロバキアにおいて、共産党体制崩壊をもたらした民主化革命のこと。衝突や流血を伴うことなく、ビロードのようになめらかに民主化が進んだことからいう。

これを「ベルベット」革命と読み替えるといろいろと見えてくることがある。
概略を書くと、Václav Havel(作家のハベル、後の大統領)がLou Reed在籍のVelvet Undergroundが活動中のころにアメリカにわたり、その音源をチェコに持ち帰る。それに影響されたバンドPlastic People of the Universeの活動が政府に迫害される。このような政府からの弾圧に対し、言論の自由、信教の自由、集会・結社の自由、法のまでの平等を求めてハベルらが抗議、Charta 77(憲章77)を発表。そのメンバーにJan Patočka(プラトン主義哲学者 パトチカ)もいたが投獄中に死去。
しかし弾圧にもかかわらずハベルらの活動は続き、ついに1989年のビロード革命となった。

※このあたりの事情については、以下の説明が分かりやすいと思います。
http://www.yk.rim.or.jp/~kimihira/yogo/04yogo16_4.htm#027_1
そのなかの一文が簡略にして要を得ている。

音楽と宗教を解放した「憲章77」
 「憲章77」の運動そのものは、警察力によって封じ込められたが、社会の中のエネルギーを二つの分野で解放した。音楽と宗教である。ジャズ、フォーク、ロックなどの音楽は社会的閉塞感のなかで、爆発的な人気が高まっていたが、当局はそこに危険な破壊的エネルギーを嗅ぎとり、人気バンドのコンサートを禁止した。公認の音楽家協会の一部門であった「ジャズ部会」も演奏が禁止されたが、活動を続けたため86年にバンドリーダーのカレル=スルプ以下が有罪となった。これらの動きは民衆の反発を強めるだけだった。宗教面でも牧師たちの中に「憲章77」に共鳴して、人権運動に加わるものが現れ「地下教会」で伝道が続いた。<木戸蓊『激動の東欧史』1990 中公新書 p.186>

以上のように、ハベルらの思想的背景になったのが、実はルー・リードらの音楽であった。
ここに上手いこと書いてある。
“That lit a fuse of rebellion which sputtered through the 1970s and flared in the 1980s, culminating in the glorious fireworks of the Velvet Revolution.”
http://www.economist.com/blogs/easternapproaches/2013/10/lou-reed-and-v-clav-havel
そして大統領になったハベルは、チェコを訪れたルー・リードのインタビューを受け、その夜、ルーはプライベートライブを行う。その様子については、「ニューヨーク・ストーリー ルー・リード詩集」(河出書房新社)に収められている。訳はちょっとごたごたしているが感動的な対話です。
音楽的な背景をもった静かな革命/ヴァーツラフ・ハベル/ルー・リード

となると、その証拠としてThe Plastic People of the Universe - Sweet Janeを貼らねばならん。



ここで、今道友信先生の名前が出てくるのは少々違和感があるかもしれない。
今道先生は岩波書店「思想」2007年12月号のヤン・パトチカ特集でこう書いている。「(今道先生と親交があった)プラトン主義のパトチカは、節を守ってチェコから出国せず、投獄されて死んだ。しかし投獄のきっかけがポピュラー・ミュージックに関するものだったということは解せない」(大意)。この「ポピュラー・ミュージック」というのが上で述べたプラスチック・ピープルのこと。今道先生は世代が違うのでお分かりにならなかったのかもしれない。しかし単なるバンドではなかったということはお伝えしたかったが、亡くなった今ではもう遅い。
しかし、今道先生のご令息いまみちともたか氏は、ロック・ギタリストとして活躍しているので、分からないわけでもなかったか。


ところで、ハベルはFrank Zappaとも交流があった。
http://www.os.rim.or.jp/~harajiri/news98.html
http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/frank-zappa-2.htm
で、上記URLを見ていたら、プラスチック・ピープルのバンド名はザッパ・アンド・マザーズの曲名であることに今更ながら気付いた。
http://www.amazon.co.jp/Absolutely-Free-Frank-Zappa/dp/B0000009RV

ルー・リードが亡くなったことをきっかけに考えていたら、いろいろなことがつながっていたことに気付いたので、書き留めてみた。

以下、蛇足。

俺が見たかった幻の競演ライブ。タイムマシンがあればぜひ行きたい。
そういえば筒井の短編に夫婦で最盛期のニュー・オリンズにタイムトラベルする話があったな。
1.Frank ZappaとRoland Kirk
一度共演したことがあるらしいが音はまったく聴いたことがない。ブルース合戦だったらしい。
2.Lou ReedとPlastic people
これはうえに書いてあるライブのこと。テープくらいあるかもしれん。チェコらしく地下テープだったりして。
3.Jimi Hendrix Miles Davis
予定はあったそうだが、ジミの急死により実現せず。
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