eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

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2017-04

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あるいは酒、ではなくトリチウムでいっぱいの海

筒井康孝に「あるいは酒でいっぱいの海」という短編がある。あらすじは、水をアル
コールに替えてしまう薬品を発明した者が誤って、それを海に落としてしまう。
すると海の水がすべてアルコールになってしまい…というものだったと思う。

さて、事故当初から言われ続けていたことだが、福島第一原発事故処理の水がとうとうあふれ出た。
そのなかに「トリチウム」という物質がある。その性質は以下のとおり。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-02-20
「将来のエネルギー源として計画が進められている核融合(炉)にかかわる環境・生物影響、とくにトリチウムの人体への影響が注目される。トリチウムはトリチウム水(HTO)の形で環境に放出され人体にはきわめて吸収されやすい。また、有機結合型トリチウム(OBT)はトリチウムとは異なった挙動をとることが知られている。動物実験で造血組織を中心に障害を生ずることが明らかにされ、ヒトが長期間摂取した重大事故も発生している。
トリチウムは水素の同位体で、最大エネルギー18.6keVで平均エネルギー5.7keVという非常に低いエネルギーのβ線を放出し物理的半減期は12年である。
核実験や原子力施設などから主としてトリチウム水(HTO)の形で環境に放出され、生物体へは比較的簡単に取り込まれる。ヒトの体重の60~70%は水分…云々」
ざっくりと整理すると、
・トリチウム(3H)は水(H2O)に近い物質で、人体に非常にとりこまれやすい。そしてエネルギーは低いながらも人体内でβ線を発するため、結果として影響は大きい(らしい)。
・β線は人体に影響を与える、というか具体的には細胞中のDNAを破壊し、正常な細胞分裂ができなくなり、結果として悪性新生物(腫瘍)や白血病(造血組織の生涯)などが発生する場合がある。
・人体のうちの水分は60%~70%、ということは、体内に容易に広がるだろう。
・半減期は12年。ということは、ある程度安定した物質になるのに要する時間は12年以上かかる。

このソースは、一般財団法人 高度情報科学技術研究機構のもので、ほとんど公的機関とかわらないようだから、記述もある程度信頼できるだろう。つまり反原発派の記述ではない。
こういう物質が管理できない状態で自然界に放出されたら厄介なことになる。しかも回収は容易ではないらしい。
東電の資料を見ると、結局のところ、どの方法も難しいということが分かる。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/roadmap/images/c130426_06-j.pdf
このへんはくどいので文末見てください※。

先にあげた筒井の「あるいは酒でいっぱいの海」の結末は、どうなっているか。たしか、地球上のすべての水がアルコールになってしまい、ついには自分の体内の水分もアルコールに変化し、「たちまちおれは酒になった」。
なぜなら体重のかなりの部分が水分だからね。

さて、福島第一原発の放射能汚染水のうち、トリチウムだけはどうしても除去出来ないらしい(もっとも他の物質も満足に除去されているわけではないようだが)。一方、汚染水は増える一方。だから太平洋に流しましょう、と日本原子力学会の事故調査委員会(委員長、田中知・東京大教授)は言った。
http://www.asahi.com/national/update/0903/TKY201309020521.html

この結末はどうなるか。筒井の短編のように人体にトリチウムが入り込んで、「たちまちおれは」一体何になるのだろうか。ガンか白血病か、はたまた何もなく無事なのか(そうならいいけど)。








※トリチウムの回収法の問題点(東電資料から抜粋したもの)
① 水蒸留法
単位段数あたりの分離性能は小さく、建屋を含め、非常に大規模な設備になる。エネルギー消費が大きいことに加え、故障時の対策に十分な留意が必要。
② 深冷蒸留法
極低温にする必要があり、エネルギー消費が大きく、処理量も小さい
冷媒喪失時のガス漏洩対策に十分な留意が必要
③ 水-水素交換法(気層法)
高濃度トリチウムを対象とした技術で、ガス-ガス反応であることから多段効果を得ることはできない。
④ 水-水素交換法(液層法)
高濃度トリチウムを対象とした技術で、塔内に液を均一に分散させるための内部構造が複雑なため、処理流量に上限がある。
⑤ 電解法
エネルギー消費量が大きく、多段カスケードを構築するとその消費量は甚大になる他、不純物の影響を受けやすく、当手法単独では不利。
⑥ 水-水素交換法(液層法)+電解法
 高濃度トリチウムを対象とした技術で、処理量に上限がある
⑦ 二重温度交換法
 重水製造を目的としたもので、トリチウムに適用する場合は濃度の制御や操作性に難点を持つ
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