eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-05

アンドレアス・グルスキー展

国立新美術館で開催中なので、行ってみた。http://gursky.jp/
以前から、独特の大画面での細密描写に魅かれていたので期待して行ったのだが、ちょっと違ったかな、と。

フィルムのカメラをプリントするとき、それなりにいろいろなテクニックがあり、それらを駆使して自らの追い求めるイメージを定着させるということをしてきた。コンピュータの画像処理もその延長上にあるといえるだろう(ただし、いずれにせよ修正をやりすぎるのは良くないと思う)。

解説を読むまで知らなかったが、グルスキーはかなり画像処理をしているという。例えば代表先の一つである「モンパルナスのアパルトマン」であるが、二つの視点で撮影した画像を合成しているそうだ。ただし、これは歪みなく撮影することがおそらく無理なので、許容範囲内と思う。
http://www.moma.org/interactives/exhibitions/2001/gursky/montparnasse_pop.html

しかし、「ライン川」のように河岸の建物を消し去ってしまうようになると、なんだか不動産広告の写真(みっともないものは消されている)とどれだけ違うのか、とも思う。たしかに本人としてはいつも川の流ればかりが目に入るので、素直にそうしたのだろうが。
http://www.tate.org.uk/art/artworks/gursky-the-rhine-ii-p78372

いろいろと見ていくと、写真作品というよりは次第に現代アート的な傾向が強くなるようで(プラダ、フランクフルト(空港)オーシャン等)、そこが良いという人もいるだろうが、やはりストレートな写真作品のほうが好みである。
例えば、
「ルール渓谷」
http://www.kgi.ruhr-uni-bochum.de/archphot/gursky/ruhrtal.htm
「エンガディン地方」
http://2.bp.blogspot.com/_Hc505W05IxM/TSCyEYyyjyI/AAAAAAAADHk/wTtJJQ5a7DU/s1600/Gursky%252C%2BAndreas%2B-%2BEngadine%252C%2B1995.jpg
あとは、北朝鮮のマスゲームやらマドンナのライブの様子やらカミオカンデやら人を驚かすのに十分な作品なのではあるが、このへんになるとなんとなくあざとさも感じてくる。

残念なのは、かつての名作がごく小さいプリントだったことだ。
「図書館」
http://www.guggenheim.org/index.php?option=com_content&view=article&id=3467&Itemid=1438
「サンパウロ、セー駅」
http://www.voyantes.net/blog/?p=187

それにしても、「99セント」を見ていると、消費社会のなれの果てというか、けばけばしさの裏のさみしさ・貧しさが見えてきて悲しくなる。
http://www.c4gallery.com/artist/database/andreas-gursky/andreas-gursky.html

ところで近年は「バンコク」等のシリーズで水面の描写に取り組んでいるようだが、これはすでにいろいろな人がやっているうえに、そこからさらに新しいところに進んでいるようでもないので、あまり面白くないです。

好きな作家なのだが、1300円はちょっと高いかなというかんじでした。写真自体にすでに十分力があり、作家が語りたいことは十分表現可能と思うのだが、コンセプト重視になってしまったように思えた。でも館内は涼しいし居心地が良いので、酷暑を避けながら頭を冷やして考えるのに良いと思う。
それとも俺が期待しすぎであったか。
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