eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-05

藤城清治「影絵横丁」展

銀座教文会書店で開催しているので、見に行った。
テレビで、福島第一原発のそばの影絵を作成したとやっていたので、それを見たいと思って行ってみた。
会場は、せまいところに沢山の作品があって、ちょっと窮屈であったが、見応えがあった。
ところで驚いたことがいくつか。
ひとつは、藤城清治と東郷健(ゲイ文化の旗手?)が親戚だったということ。小人の影絵の人が、ゲイの雑誌の表紙を(暮らしの手帳と並行して)描いていたというのもちょっと不思議なもんですが、けっこう反骨心が強いらしいことを考えると、なるほどとも思う。
藤城氏は戦争中にもかかわらず、女の子の絵を描き続けたそうで、軟弱そうでいて太いところがあるのではなかろうか。
またケロヨンというカエルのキャラクターも藤城氏のものだったのは知らなかった。

ところで、震災に関する作品とデッサンがいくつかあった。とくに南三陸町の防災庁舎は、カラーのデッサンから、写実的な影絵として作品化され(折り鶴が空に飛んでいく)、さらに小人がいるような藤城ワールドの作品に変化していくのを見ることができた。

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また、福一原発あたりを描いた大作の右側には、宮澤賢治の言葉が添えられていた。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。」

作品に添えられた言葉のなかに「がれきは美しい」と書いてあった。
俺は、写真家六田知弘さんの「時のイコン」展でガレキの写真を見て「美しくないとは言えない」とまでしか言えなかったが、藤城氏は「がれきは宝石よりも美しい」と言っていた。
思えば、藤城氏はあまり口にはしないが、戦争体験、とくに東京在住だったので空襲の体験をもっているはずで、さまざまな修羅場を見たうえでの言葉なのではないかと思う。
そういえば、軍艦島の影絵のシャープな表現は、メルヘンを裏打ちするなにか硬質のものの存在を感じた。

藤城氏は、猫や小人などかわいいもの、美しいもの、か弱いものを大事にしているのであるが、それを守り抜こうという意志は非常に強靭であるのだろう。

それにしても、もうちょっと広いところで見たかったです。
まあでも、猫と小人はかわいいですね。




藤城清治さん:個人美術館プレオープン 被災地再生を祈念 毎日新聞 2013年05月02日
http://mainichi.jp/feature/news/20130502k0000e040172000c.html

「南三陸町防災庁舎・がれきは宝石」
 影絵作家の藤城清さん(89)の作品を集めた個人美術館「藤城清治美術館」が先月26日、栃木県那須町にプレオープンした。展示作品は童話やメルヘンの世界だけでなく、東日本大震災の被災地を描いたものも。「生きる喜びや希望というメッセージを次世代に伝えたい」という藤城さんの強い意志が、一つ一つの作品に込められている。
 藤城さんは「光と影の詩人」として、透明感のあるメルヘンタッチの作風が幅広い年代の人に愛されてきた。
 今、東日本大震災を描くことに力を注ぐ。美術館の一角には、被災地を題材にした作品が並ぶ。震災後、被災地に何度も足を運んだ。思いを寄せたのは、今も残るがれきや建物の残骸だった。
 宮城県南三陸町の防災対策庁舎を描いた「南三陸町防災庁舎・がれきは宝石」は、鉄骨だけが残った庁舎が青白く光り、色とりどりのハトが飛び立つ。藤城さんの分身でもある「こびと」たちが笛を吹き、ろうそくを掲げ、大地からはオーロラのような光が湧き出る。鎮魂と再生への願いを込めた作品だ。
 「すべて生活していた人々の生活の土台だったもの。いろいろな思いが詰まっていて、美しい風景よりも美しく、尊い。芸術にするにはあまりに現実的過ぎるけれど、絵描きなりに目を背けずに描かなくてはいけない」
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