eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-11

このあいだ、帰省した時の話

5月中旬に福島県相馬市の実家に母を連れて帰省していたのだが、どうも考えがまとまらないまま、大事なことも忘れてしまい、そんなことをしているうちにまた8月が来てお盆のために帰省してきた。
いくつか聞いてきた話と、見てきたことを書いてみようかと思う。

叔母から聞いた話
・原発事故以来、スーパーに買い物に行くと以前とは様子が違うところがある。店頭には、いきの良い地元産の野菜が安い値段で並んでいる。しかし、ちょっと店の奥に行くと九州産や四国産などこれまでは見なかった産地の野菜が並んでいる。小さい子供のいる家では値段が高くても、店の奥の方に並んでいる野菜を買う人がけっこういる。
・除染をするにあたって問題になるのは、廃棄物をどこに持っていくのかということ。ある人が政府の役人にこのことを問いただしたところ、「谷をひとつ埋める覚悟があれば、廃棄物は片付きます」と言ったらしい(後で思い出したが発言者は田中俊一だった。この人が原子力規制委員会の委員長になるようだが適任ではない)。叔母にいわせればとんでもない話だ、というのであるが、俺が自分なりに考えると、それも仕方がないのではないかと思ったが、叔母には言 えなかった。
※一方では、復興のためのセメント増産によるものか、阿武隈山地のある山がどんどん削られており(実家から見ても削られた山肌が分かるくらい)、近いうちにその山は消滅するだろう。人の都合によって、慣れ親しんだ風景が壊されていくというのは見ていて心が苦しくなるものだ。(ここまで5月の話)
・先月から相馬市沖ではタコとツブガイの漁が再開された。放射性物質も基準値以下という。今回の帰省で食べてみたかったが、地元で食べたい人も多いし、お盆で漁が休みということもあり食べられなかった。ところで、他の魚はどうだろうか。ヒラメなどの高級魚も獲れるのであるが、タコ漁のときに一緒に獲れてしまった魚はそのまま海に戻しているそうだ。
しかしこれは商売での話。自分が食べるためならば、どんな魚を獲っても止めさせようがない。実際、浜の人のなかにはこれまで通りの新鮮な魚が食べたくて、自分で漁をして、獲れた魚を食べる人がでてきたらしい。また、食べたいという人がいれば(身内ではあろうが)譲ったりしているという話である。ここでお金が絡むとややこしい話になるが、これまでもやってきたように獲れたもののおすそ分けをしているだけともいえる。年寄りがすべて分かった上で食べるのなら、もう止めようもない気がする。というか、俺もお相伴にあずかりたい(本気)。
ちなみに、皮肉にも漁ができないため、魚は非常に育っているそうだ。

浜の様子
・松川浦を歩いてみた。海沿いで被害にあったホテル、旅館のなかには営業を再開するところもけっこう出てきた。建築工事もだいぶ進んだらしい。しかし、浜焼きを売っていたような小さな店は跡かたもなくなってしまった。復興工事のため、宿舎としてのホテル、旅館の需要は一定数見込めるのだろうが、本来、海に遊びに来る人のための宿泊施設だった。もとの姿に戻るのはいったいいつになるのか見当がつかない。
・海岸沿いの松並木は津波で大半流されたのだが、残っていた松も塩害だろうか、枯れてきたようだ。松川浦の堤防が崩れて外洋とつながったあたりに松が何本か残っているのが見えたが、葉は緑ではないようだった。常盤なる松の緑というくらいで、常緑であるはずの松なのであるが。
・松川浦大橋の向こうのトンネルの先まで行ってみた。お地蔵さまに飲み物をあげてみた。海沿いの復旧工事は進んでいるのだろうが、寸断された堤防の途中に小型漁船が2隻ほど、いまだに撤去されずに残っていた。
・帰りはバスで帰ったのだが、津波で大きな被害をうけた原釜をバスは走っていった。あたりは夏草だけが生い茂り、撤去された家々の土台だけが残っていて、なにかの遺跡のようでもあった。海からだいぶ離れたところに黒光りするところがあって、それは墓を立て直した墓地であった。この墓地は津波で墓石が流され、さすがに忍びなくて昨年来た時は写真を撮ることも出来なかった。まずはお墓を直したのだろうか、遠目からも黒光りしているように見えるのは新しい黒御影石のせいだろうか。そこだけは生き返ったようであった。

なんだか表面的なことしか見えなかったが、ちょっと帰省しただけで分かるはずもないだろう。盆踊りは例年のような開催であった。
けれども町の書店では、いまだに原発事故と震災関係の本が平積みになっている。今住んでいる早稲田界隈の書店では、震災関係の本はすでに、一番目立つところには置いていない。当然といえば当然なのだろうが。

また来月母を連れて帰省するのであるが、また様子が少し変わったいるのだろうか。
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