eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-05

12月9日 木村真三先生 特別講義@早稲田大学7号館

平成23年12月9日

木村真三先生 特別講義

●日時:2011年(H23)12月9日 18:30~20:30
●場所:早稲田大学7号館218教室
●主催:現代思想研究会

以下、概要のみ。自分が知っていることなどはメモしていない部分もある。また日付、線量の数字等メモの間違いもあると思う。
・全体構成は、
1.放射能汚染マップ関連
2.海の汚染
3.チェルノブイリの事例 
となるはずであったようだが、1だけでもかなり時間を使ったので2、3が梗概のみであった。その後、質疑応答があったが、時間がないため退出した。
以下そのメモ書きをまとめたものです。

・(木村氏の)福島県での放射能汚染マップ作製は、いろいろな家を泊まり歩きながらやっているホームステイのようなものでもある。福島県の人の考え方、感情等が分るようになった。
・今回の話では、現状を知ってもらうのが第一の目的。
・ちなみに、350人以下の聴衆ならマイクは使わない主義。やはり生の声を聞いてほしい。

・最近は政府に呼ばれたりもしているが、やはり自分は御用学者ではない。思想的には反原発かもしれないが、それは言わないようにしている。何故か。今は福島の問題を解決するのを最優先したい。
・震災後、研究所を辞める時、実は後に続く人がいてくれると思った。しかしいなかった(笑)。
・ちなみに40歳までpermanentな仕事を得られなかった(けど、その仕事を辞めてしまった)。その理由は有馬朗人氏が文部大臣だった時、人材流動化のため研究職の再任が出来なくなった、横滑りも出来なくなった。
・研究所を辞めてしまったために肩書がなくなり、いわば一種の不審者になった。被曝防止のための格好は、宇宙人のようでもある。その格好で福島の現地の人と話すのは避けたい。不信感を持たれたくないので普段着で乗り込んだが、そのために内部被曝もした。
・浪江の赤宇木に行ったとき、室外80μシーベルト/h、室内20μシーベルト/h。本来なら室内でもマスクが必要な状態。しかしマスクを外して話をした。リスクではあったが。
・きちんとした情報、数値を見れば、避難を決心し、それが安心につながる。
・ところで、NYタイムズの誌面、オバマ大統領の下に、いわき市志田名・荻地区のおばさんが線量計(楽天、中国製)を持って写っている。これで測ったら5マイクロシーベルト、10μシーベルトを計測。何とかしないといけない。
・4月中に米軍が無人機ブラックホークによりエアボーンサーベイ(社?)のモニタリングシステムで作った地図があるが、避難地域外のいわき市に、数値の高いところがあった。ちなみに福島県は3番目の面積を持つだが、いわき市は香川県より大きい。
3μ、セシウム137 3700bq/1h、山の中は10マイクロover
・線量計だけでは、いろいろな放射性物質があるので本当は正確ではない。セシウム137は計測できる(要確認)。K-40は天然由来で半減期129億年=宇宙創成から存在した物質。平均日本人(168センチ、60キロ)で4000bqあるのが普通。震災前に長崎大で(山下俊一氏に?)計測してもらったら木村氏は5400bqだった。

※ここで、木村氏が、理系の人と文系の人の聴講者の割合を確認したら、理系は一人もいなかった。何故だろうか

・東京に放射能雲が通過したのは3月15日と3月21日。志田名・荻地区は3月15日12時の風に乗ってきた高濃度放射性プルームによる被害だろう。
・3月12日は、海側に風が吹いていたが、南から北に吹いてもいた。それが陸前高田方面に向かい、稲藁が吸着したのかもしれない。
・3月15日は2号機由来、3月21日は3号機由来のものだろう(ヨウ素が多い)。
・ヨウ素は半減期が短いものがあるので、痕跡は松葉から計測した(松葉が吸着する)。
・ちなみに志田名・荻地区は土地の人の判断で今年は作付しなかった。そのため、土が混ざっていないので除染が可能。
・この地区の線量は1513bq/m2でチェルノブイリの第1避難ゾーンにあたる。ここに中学生以下は22人いた。桶売小学校では第3ゾーン(希望移住地域)と同じレベル。市、県、国に働きかけたが何もせず。小学校では校長の判断で8月に除染決定したが、実際には10月となった。その間に理由は校長が引き継ぎせずに転任したため。
・川内村も原発隣接地域だが、むしろ線量が低い。いまは0.3くらい。
・志田名・荻地区では、市民科学者の育成を行った。9月から汚染マップの作成。
・200mメッシュ。二本松は500m。最終的にはもっと細かく50mメッシュ、田んぼ1枚ごと。9月17日にマップをお披露目した。
・汚染の違いは何に由来するか。ある公民館から北は線量が高い。そこから北は雪になり、南は雨になる境目。また、ところどころ数値の高いところは雪の吹き溜まるところ。
・雪は雨よりも放射性物質を吸着する。表面積(中も隙間が多い)が多い。地面にゆっくり積もる。解けるときに地面に浸透する。雨ならば、表面にしかつかないし、地面に落ちてもすぐ流れ落ちる。
・二本松市は行政のバックアップがある。木村氏自身は政治の道具になりたくない。
・助けるのではなく一緒に考えるというスタンスでやっている。

・仮置き場の問題。最終処分地はやはり福一原発付近しかない。しかし仮置き場は必要。納得して捨てられるのは最小行政単位=部落単位。そこに厚さ15センチのコンクリの箱を作って蓋をすればほぼ安全。土に埋めない方法。

・ETVでやった二本松市の除染の話は、大事な部分が編集でカットされており、研究仲間からも非難された。
・ペンキ職人時代の作業服とニッカーボッカーを残しておいたが、除染作業の際、まさかもう一度着ることになるとは思わなかった。
・あの話では、里帰り出産の娘さんが屋外2.6マイクロシーベルト、室内1.2μシーベルトのところにいて、これはまずいとその家から出るように家族に説得した。
・その間4泊6日でチェルノブイリに行き、さまざまなデータをもらった。
・帰国したら、その娘さんがまだ家にいたので説得したが、3日目の日にお母さんが、娘は嫁ぎ先に返すにしても家族三代そろった生活を失いたくないと言った。ならどうするか、除染するしかない。お母さん一人でもやると言いだした。それを放ってはおけないので一緒にやることになった。
・また、行政のサポートが期待できないところが多いので、人力でどこまでできるかリサーチしたいのでやってみた。
・ゴミは5トン弱。2階は1階の屋根と2階の屋根から放射線が来るので線量が高い。瓦は水アカのところに吸着されているので、それを落とす。最終的には0.3まで下がった。
・hot spotは点線源、距離が遠くなればその二乗分線量が下がる。
・hot areaは面線源、100メートル離れても線量は下がらない=除染は周囲100mする必要がある。
・やはりリスクをとってもその土地に住みたい人がいる。それに対するアクションが必要。現実主義で、出来ることをやるのがポリシー。

・森林の除染も考えている。落ち葉は吸着しやすい。
・まずは住宅地付近の森林100mを伐採し、広葉樹を植える。現在は杉ヒノキ(針葉樹)が多く、根が横に伸び地盤が弱い。広葉樹は根が横に広がり地盤強化、保水能力も高い。
・伐採した樹木は表皮をはいで、復興住宅に使う。樹木は導水管により表皮のみ線量が高いの、そこを除去すれば良い。
・除染のために、炭を撒くという考えもある。炭は吸着力が強い。それで山の水(天水)の汚染を防ぐ。今のセシウム米問題は、山の水を使っているところだから起きている。
・また、炭を使う意味がある。いま山林業は仕事が出来ない(キノコ、木材)。炭焼きをして森林再生という仕事。

・今回の事故については食品の被曝よりも3月15日に屋外にいた人の内部被曝が問題なのではないか。
・被曝は年間1ミリシーベルトまでは許容できる(目安)と考えている。
・福島県内で、9700bq/kgの田んぼからとれたお米が玄米ベースで21bq/kgのセシウム137,134であった。粘土と吸着することによって、米には行かなかったらしい。
・もともと地上にはk-40が165bq/kgほど存在しているので、21bq/kgはあまり問題ない数値であると言える。

・マスコミには、今後距離を置きたい。「朝まで生テレビ」への出演依頼も断った。NHKと違って生放送なので、言いたいことが言えるようにも思えるが、司会者に仕切られたらそうもいかないだろう。

・IAEAの報告書を根拠に安全だという人がいるが、それは都合よく要約されたもので、完全版には、安全派には都合の悪い数値もちゃんと記載されている。WHOの資料も同様である。

・海底の堆積物はヘドロ状になって濃縮されている。Ag-110m(放射性の銀)が生体濃縮される。計測によってアワビなどは危険であろう。またウニなどは殻が吸収していいて実の部分は数値が低かったりする。

・3月の原発爆発の際、気団に乗って放射性物質は長崎まで届いていた。結局日本のほとんどが薄く広く汚染されている。
・だから、微量の放射性物質についてマスコミに乗せられて大騒ぎするよりも、本質的なことを考えなければならない。

・放射性物質は、人体のどこにたまりやすいか。チェルノブイリに行った際、豚の解体をして調査した。チェルノブイリではほぼ自給自足に近い生活(放射性物質を避けるための食費補助があるにはあるが、非常に低額)なので、人と豚の食べるものはほぼ重なっているので、資料として適している。
・セシウムは筋肉に沈着しやすいが、それ以上に内蔵にも沈着する部位がある。腎臓などは沈着しやすい。
・呼吸器なども

・まず大事なのは、データの計測による状況の把握。それをもとに自分で考えていくことが大切。

・(このような事故が起きることは予測していたか、という質問に対して)このような事故はいずれ起こるだろうと考えていた。その理由は、以前厚生省の労働基準局?に所属していたが放射線関係の担当者は自分ひとりであった。そのため、原発関係の問題・事故はすべて自分のところに上がってきたが、そのころから大小様々な問題事故が多かったので、いずれ何かあるのではないかと予想していた。

※この後も質問が続いたようだが、時間がないのでここで退出した。

木村真三氏のスタンス、行動には批判もあるようだが、今は木村氏を信用したい。森林除染等、到底無理ではないかと思っていたが、すべてではないにせよ何とかやりようがないではないように思えてきた。
もしだめだったとしても、信用したのは自分。万一そうなったとしても木村氏を責める気にはならない。それが自己責任ということではないかとも思う。
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