eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-11

ジョン・ルーリーの言葉のセンス

先日、ワタリウム美術館で、ラウンジ・リザーズのリーダー(このバンドについて書くと長くなるので書かない)であるジョン・ルーリーの絵画展をみてきたのだ。アンケート用紙があって、それに書くとジョン・ルーリー本人からメッセージが届くことがあるというので、なんか書こうと思ったが、用紙が小さく、また、答えたいような質問ではなかったので、そのかわりにここに書いてみる。
気が向いたらbrokenな英語でも書こうとも思うが、本人が見ることはまずないだろうな。そんなマメな人ではないかんじだし。

で、美術館の準備した質問は、
1.ジョン・ルーリーのどの絵が好きですか。またその理由は。
2.ジョン・ルーリーの流れる詩のような言葉をどのように思いますか。
3.この展覧会の感想
というやつです。これから書くことは、この設問とはほとんど関係ない。

正直にいうと、彼の絵は「アングル(画家)のバイオリンIngres Violin」という類で悪くはないが、彼の作る音楽のほうが数倍良いだろう。やはり音楽家が本職で、ドローイングは余技というふうに見えた。

ところで、この人、blow job(意味は自分で調べてください、エロいです)というタイトルの曲を作るくらいで、だいぶ洒落のきつい人であるが、絵画作品のタイトルも、その調子でやっているように思える。そういえば、ドラムとソプラノサックスのDUOで来日したときは、二人きりのくせにJohn Lurie National Orchestraという名前であったな。
言葉に関して独特のセンスがあるようで、おふざけのような面と、すごくシリアスな面が同居しているように思える。
これって、俳句・俳諧に通じるものがあるのではないか。

俳句には季語という約束事があるが、これは季節の移ろいを意識してのこと。さらに言えば、生のはかなさに通じるものがある。同時に「諧」という字が入っているように、諧謔味も併せ持っている。その両者が一体となった言葉の世界と、ジョン・ルーリーの作品の言葉のセンスが似ているように感じた。

というところから作品を見た人が寄せているコメントを見ると、まじめに考えすぎているのではなかろうか。一方、ジョン・ルーリーがかえしたコメントはけっこうテキトウに見える。彼の言葉を、いちいち真に受けていてもしょうがないような。あの長い顔をニヤニヤさせているのではなかろうか。

とはいいながら、彼の闘病生活によるものだろう、神に対してのある種の懐疑のような言葉があるようだ。しかしながら、そういう言葉を書き付けてしまっている自分を客観視する彼自身もいて、困難の中で生きるためのユーモア、それを生み出す彼自身の力強さもかんじたな。
つまり、病を得たわが身を嘆くだけではなく、そうなってしまった自分をまるで他人事のように見て、それをある意味、面白がっているようなところがあって、まるで正岡子規のようでもある(子規の赤犬のはなしとか)。

ジョン・ルーリーは、「GOD」という言葉をたびたび使っていたが、それについては、ザッパの言葉で答えたい。「GODをひっくりかえすとdogだよ」。

結局、絵のことはまったく何も書いていないが、ラウンジ・リザーズのレコードジャケットを思い浮かべてもらえれば、まあそれほどはずれてはいないと思います。
しいていえば、画中の顔の長い男は彼自身。鳥もサックスを吹く彼自身(とバンドメンバーかな)。で、犬のような顔の生き物も彼自身で、けっきょく大半は自画像であるように思えた。


以下、蛇足。
この方、だいぶ釣りがお好きであるようだ。ライム病?という病気にかかったそうであるが、wikipediaによれば「ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属 Ixodes ricinus 群のマダニに媒介されるスピロヘータの一種、ボレリア Borrelia の感染によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつ」ということで、いかにも釣りをしすぎて感染するような病気におもえる。
というわけで、彼は来日して、「魚供養」をすべきであろう。そして、また音楽活動を再開してほしいものだ。
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