eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-11

昔のblogから-2  本棚と頭のなか

※2001年秋ごろ書いたもののようです。

以前、家人が勝手に私の本棚を移動したことがあります。
ほとんど同じように本が並べられていましたが、一目で違和感をおぼえ、訊いてみたら、家具の移動の際に本棚を移動し、本も入れなおしたとのこと。
ものがなくなったわけでもないのですが、自分でも不思議なくらい、なんだか無性に腹が納まりません。
腹立ち紛れに考えていると、本棚というのは自分の脳を一部外在化したようなものなのだな、と思い当たりました。

コンピュータでいえば、外付けのハードディスクのようなかんじといえば分かるでしょうか。
大袈裟にいえば自分の頭のなかの記憶を勝手に操作されたようなので、並び方が変わっただけでも不快になってくるのでしょう。
このことを単身赴任をしている知人に話したところ、全くそのとおりだと同意してくれました。
たまに家に帰ったときに、あったはずの本棚が処分されてなくなっていたり、押入れに押し込められたりすると、同じように感じたそうです。



ここで思い出したのが、3月11日の東京大空襲で偏奇館を失った永井荷風です。
おそらく偏奇館にあった荷風の蔵書は、彼自身の分身であったのでしょう。

一般に、荷風の晩年の作品にたいする評価は芳しからざるようです。
それは、荷風が外在化した記憶としての蔵書を失ったことにより、一種の機能不全に陥っていたということもあるのではないかと思います。

夏も過ぎ、空気も乾いてきました。曝書にはちょうどよい季節です。
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