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eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2017-12

なかなかの奇(稀)書、『明治の御代の「坊っちやん」』(古山和夫)

著者は、リコーダー奏者でバロック音楽などを演奏しているらしい。
その著者が、『坊っちやん』を楽譜に見立て、著者なりに演奏したらこうなった、という本である。

『坊っちやん』という作品は不思議なところであって、そもそも発話者である主人公らしき男(=坊っちやん)が、いったい誰に向かって話しているのか、というところからはっきりしない。
話の内容自体の内容と、語り口によって、なんとなく面白がって読まれているわけだが、よく考えると分からないところがある。
その疑問に対して、かなり強引だが、ひょっとしてそうかもと思わされる解釈(字口、駄洒落による読み替え)がされていて、かなり面白く読んだが、まじめな漱石ファンや学者は怒るかもしれない。

なるほどと思う点をいくつか。
・能楽との結びつきについては、熊倉千之先生の考えと重なるところがあって興味深い。
・日露戦争については『草枕』や『三四郎』で、漱石はさらっと触れているが、やはり当時は国の存亡がかかるとともに、一般人にとっても出征、戦病死等身近な問題だったはずで、その重大さに気付かぬ漱石ではなかったろう。それについてなるほどと思うところがあった。
・坊ちゃんは、四国(死国、じつは日露戦争の舞台であった清国/満州)から引き揚げてから、街鉄(路面電車)の技師になったとあるが、なんだか唐突な終わり方だと思っていた。街鉄(がいてつ・まちてつ)を地口で「がいてつ=外鉄(外国鉄道)」もしくは「みちてつ=満鉄」と読むと、たしかに日露戦争で得た南満州鉄道につながってくるところがあり、漱石の意図が感じられる。

この本がどういう評価を得てるのかよく分からないが、いとうせいこう氏がtwitterで取り上げているようだった。なかなかの内容を持った本だと思います。
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誕生日の話

先日、何度目かの誕生日を迎えたが、なかなかの一日だった。
まず、昼前に早上がりするつもりで出勤。退勤後にやりたいことをいろいろと夢想しながら仕事を始めた。
10時過ぎまでトラブルもなく仕事は捗り、最後に週明けの準備をするための機材を見たら、いつもの場所にない。
数日前に持ち出して使用した記憶があったので、その場所を確認したが、当然ながら終了後にすぐ搬出して、所定の場所に戻しているから見つかるはずもない。
冷静さを装いながら探し回っていたら、部内の人が誰にも言わずに持ち出して、他の部門に貸し出していたことが分かった。
機材が戻るのが、早くて12時。1時間以上を無駄に過ごした(もちろん、仕方がないので他の仕事をしていたが)。
昼前に会社を出て、どこかで一杯やろうかと思っていたが、くさくさした気持ちが収まらないので、とりあえず気分転換のため行きつけの床屋に行った。
ところが、予約の客が来るということで、入店できず(一人でやっているお店なので)。しかたなしに千円床屋で髪を切ったが、シャンプーはしてくれない(シャンプーすると2,000円だそうな)ので、その後はずっと体がチクチクしていた。
昼飯は、なんとなく目に入った寿司屋でランチセットを食べて、これはまあまあ良かった。ビール飲むのを忘れてたな。

気を取り直して、京王線・芦花公園の世田谷文学館へ澁澤龍彦展を見に行った。
熱心なファンではなかったが、見るべきものは多かった。案外かわいい字であった。原稿のわきに、イラストなんかもちょこちょこ描いている。
俺としては、使っているカメラが名機ミノルタCLE+純正40ミリレンズ(だと思う。キャップがしてあって分からなかった)だということが分かったのが収穫だった。
いい気分になって、電車を乗り継ぎ、今度は世田谷のボロ市に向かった。世田谷線を降りて手袋をしようとしたら、いつも定位置にしているコートのポケットに手袋が入っていない。そんなはずはないとしばらく衣服を探ったが、出てくるわけもない。
はっと思って電車を見たら、すでに発車した後だった。
買って一月もたっていない手袋だったんだけどな。
呆然としたまま、そのままボロ市会場に入り、気も入らないまま出店をまわった。遅ればせながら、駅にもどって落とし物を聞いてみたが、やはりない。
落とし物問い合わせ窓口の番号を教えてもらって、後日電話することにして、とりあえずボロ市に戻った。なんとなく手袋が目に入ったので、考えもなしに買ってしまった。
その手袋をすぐに手にはめて家に帰ったら、革の臭いがきつくて、悲しい気持ちになった。

後日、電鉄会社に落とし物を問い合わせたが、やっぱり出てこなかった。京王線も世田谷線も、どちらも丁寧に対応してくださったのは、有難かった。

その後、革手袋は陰干しを励行したせいか、臭いがだいぶ薄らいできた。
誕生日以降は、変なことが重なるのはあまりないようです。あの日は何だったのか。
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