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eeldogの鰻犬堂日乗(mankendo diary)

日々のよしなきことどもをつづります。 クリックすると写真が大きくなります。

2012-06

古本屋との3連戦、1勝1敗1分

以前ほどではないが、ぽつりぽつりと古本屋で品定めしているのが好きだ。先日探していた本を見つけたので、このところの勝敗結果を考えた。
というのも、古本屋と客というのは一種の真剣勝負(笑)で、店主の値付けと、そこから漏れた本を探す客とのせめぎ合いが醍醐味である、って別に「せどり」をやっているわけではない。

まずは、近所に最近出来た古書店の店頭に100円コーナーがあり、古い「太陽」が出ていた。予感があって何冊か見てみたら、荒木経惟の「さっちん」が収録された号が出ていた。これでまずは「1勝」。うれしくて、会計のときに「これはほんとはもうちょっと高いはずですよ」と口が滑ってしまったが、店主は苦笑していた。

次に、アンゲロプロスの映画を見た後、北千住のB・Oをのぞいたら写真家・故吉田元(周はじめ)さんについての記事がある「フォトコンテスト」誌があった。大きいメディアで吉田さんを取り上げた記事は数えるほどしかないが、そのなかでもこれは大きいほうであった。
http://betsukai-onsen.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_3147.html
http://betsukai-onsen.cocolog-nifty.com/blog/files/syuu_hazime.pdf
値段は600円。古い写真コンテストの本など実質的に読みたい人など居らぬので100円でも高いように思うのだが、この本は探すとないもので、とりあえず買ってきた。「1敗」です。

今週の話であるが、古い「太陽」を買った古書店に入ったら、棟方志功没後1年にでた「グッドバイ棟方志功」(講談社)が600円。これは適正価格で「1引き分け」。この本は、苦闘時代(笑、いまも別に好転したわけではないが)に、当時出入りしていた乃村工藝社の書庫で繰り返し見ていた本である。あんまり見ていたので本がバラけてしまった(乃村工藝さん、すみません)。あの当時はこの本が大きな救いだったな。
この本で棟方が墓碑について語っている部分があって、次の部分が好きである。

驚いても  オドロキきれない
喜んでも  ヨロコビきれない
悲しんでも カナシミきれない
愛しても  アイシきれない
結局、無限なんですよ。

というわけで、表題の通り1勝1敗1分で、戦績としてまあまあ満足しちょります。
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異郷 西江雅之写真展

先日、時間を見つけて三軒茶屋で開催中の西江雅之先生の写真展に行ってきた。
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/040/d00018592.html

行ってみると、ふらりと西江先生ご本人が現れた。時間があるのでちょっと会場によってみたそう。
学生時代にお世話になった話をしたが、当然のことながら覚えているわけもなく、ただ共通の知人の方の話をしたら、大体いつぐらいの時期に先生の授業を受けていたのか見当をつけてくれたようだった。
先生はトレードマークの眼鏡をしていなかった。聞けば、数年前に目の手術をして眼鏡が不要になったという。それ以前は黒縁の分厚いレンズの眼鏡をかけていて、それがために「マチョイネ」(スワヒリ語で目が四つある=目とレンズで4つの意)と呼ばれていたわけであるが、もうそうは言えなくなった。また最近はお風呂もちょくちょく入るらしく月1回は入浴しているそうです。「だいぶ人間味が出てきましたね」と言ったら笑っておられた。
「学生時代、先生は僕の授業をまじめに受けても、世の中ではあまり役には立ちませんと話しておられましたが、実際のところ非常に役立っていますよ」と言ったら、先生は「そうでしょう」と自信ありげ、「他の(元)学生さんもけっこうそういうことを言ってきます」と笑っておられた。また、記憶は定かではないが、たしか研究室には北杜夫のお嬢さんだという「サイトウ」さんが遊びに来ていたが、今になって考えると週刊新潮で書いている斎藤由香さんだったのだろうか。ま、これはどうでもいいか。
先生のご子息は、東欧でサッカー選手をやっているとのことで、日本にはまったく未練がない様子だとか。旅をしても結局日本に帰ってくる西江先生とは、そのへんが違うのかもしれない。

会場の見ものは、写真もさることながら、いつも旅のときに持ち歩いているという古い岩波文庫のランボオ詩集(小林秀雄訳)の複製があったこと。カラーコピーして製本してあり、手に取ることができる。なかに旅行の行き先と日付がメモしてあり、私が学生時代のころに旅したと思われる日付も書いてあった(わりと最初のほう、つまり80年代ですな)。おまけに表紙はカエル(だったかな)の皮で装丁してあるとか、なんとも面白いものです。そういや西江先生はピーター・ビアード(Peter Beard)の翻訳もしていたが、ちょっとそれに似た混沌とした趣も感じられた。
ピーター・ビアード「ダイアリー」http://www.kosyo-doris.com/SHOP/qqq059.html

写真について言えば、先生の写真はこの世のものとは思えないような不思議な人々、ものが写っているが、撮り方自体は非常にストレートである。私自身としては日常生活のなかに不思議を見つけたいという気持ちが強いので方向性としては逆ではあるが、最終的には「やはり人間は人間である」というところがあって、そこは先生に少し通じるところかもしれないと思っている。


実はこの日、平日の休みで気が緩んで昼からビールを飲み、酔い覚め心地のところに先生に会ってしまった。先生に会ったらいろいろお話したいとかねて思っていたが、いざそうなると気が動転したうえに、酔いのせいもあって頭が朦朧とし聞きたい話もあまり出来なかった。私にとって大きな意味のある方なので、やっぱりあがってしまったようです。

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三軒茶屋駅裏の映画館
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